ファンド・オブ・ファンズの仕組みを徹底解説!高い手数料に見合うメリットはあるのか?
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執筆者:
公開:
2023.04.02
更新:
2024.10.09
目次
ファンド・オブ・ファンズ(Fund of Funds)とは、複数のファンドに投資する投資信託のことを指します。
分散投資の効果を高めたり、各投資信託が有する付加価値をさらに高めたりすることを目的として、ファンド・オブ・ファンズは利用されます。
ファンド・オブ・ファンズの具体例
セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド
セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドは、セゾン投信が運用する投資信託です。
株式と債券に50%ずつ国際分散投資を行います。
図は交付目論見書より引用
このファンドは、様々なアセットクラスへ投資する投資信託に投資をすることで、分散投資の効果を高めることを目指したファンド・オブ・ファンズです。
ファンド・オブ・オールスター・ファンズ
ファンド・オブ・オールスター・ファンズは、三菱UFJ国際投信が運用する投資信託です。
日本株に投資する投資信託に対して投資を行います。
図は交付目論見書より引用
このファンドは、日本株運用で実績のある運用会社のファンドマネジャーが、それぞれ独自の運用スタイルで運用することで、ファンド全体の付加価値をさらに高めることを目指したファンド・オブ・ファンズです。
ファンド・オブ・ファンズに投資するメリット
①分散投資の効果を高められる
セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドのように、各アセットクラスに投資する複数の投資信託を組み合わせることで、分散投資の効果を高められるファンド・オブ・ファンズもあります。
オーダーメイドでポートフォリオを構築し、分散投資を実施するサービスにファンドラップ・SMAがありますが、ファンド・オブ・ファンズは、より少額から分散投資効果を高めることができる商品の一つです。
②投資信託が有するそれぞれの付加価値をまとめて享受できる
ファンド・オブ・オールスター・ファンズは、日本株運用で実績のあるファンドマネジャーが運用する複数の国内株投資信託を組み合わせたファンドです。このファンドに投資することでそれぞれの投資信託が有する付加価値・強みを享受しながらも、特定のファンドに投資する時と比較してファンドマネージャー個人のリスクをヘッジすることができます。
ファンド・オブ・ファンズに投資するデメリット
①投資信託のコストが二重にかかる
ファンド・オブ・ファンズは投資信託に投資する投資信託です。そのため、ファンド・オブ・ファンズ自体に信託報酬などのコストがかかるだけでなく、投資対象先の投資信託に関するコストもかかるので、通常の投資信託を購入するときと比べて、コストが増加するという特徴があります。
投資信託のコストについては、以下の記事をご参照ください。
参考記事:今さら聞けない「投資信託」の仕組みを解説!〜メリット、デメリットを徹底解剖〜
②投資先の詳細を把握しにくい
複数の投資信託に対して投資をしていることから、一つひとつの投資信託の状況を詳細に把握しにくいという特徴があります。
まとめ
- ファンド・オブ・ファンズとは、複数の投資信託に投資する投資信託です。
- 通常の投資信託と比べると、「分散投資の効果を高められる」、「投資信託が有するそれぞれの付加価値を統合して享受できる」といったメリットがあります。一方、「投資信託のコストが二重にかかる」、「投資先の詳細を把握しにくい」といったデメリットもあります。
投資のコンシェルジュ編集部
MONO Investment
投資のコンシェルジュ編集部は、投資銀行やアセットマネジメント会社の出身者、税理士など「金融のプロフェッショナル」が執筆・監修しています。 販売会社とは利害関係がないため、主に個人の資産運用に必要な情報を、正確にわかりやすく、中立性をもってコンテンツを作成しています。
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投資家から集めたお金をひとつの大きな資金としてまとめ、運用の専門家が株式や債券などに投資・運用する商品。 その運用成果が投資家それぞれの投資額に応じて分配される仕組み。 集めた資金をどのような対象に投資するかについては、投資信託ごとの運用方針に基づき専門家が行う。
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様々な金融資産に分散して投資すること。 株式・債券・不動産など資産の種類、日本・先進国・新興国など投資先地域、通貨への分散投資を複合させるのが一般的。 ひとつの金融資産だけで運用成績が変動することを避けるために、複数の変動の方向性が異なる金融資産に分散投資し、投資資金全体のリスクを低減させる。 同水準のリスクをとる場合にできるだけ高いリターンを目指していく、いわゆる運用のリスク・リターン効率アップを図ることが可能。