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ショーグン債とは?日本国内で外貨投資を実現する債券の特徴とリスク

ショーグン債とは?日本国内で外貨投資を実現する債券の特徴とリスク

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執筆者:

公開:

2025.04.09

更新:

2025.04.09

債券投資

「円建て債券ばかりでは、これからのインフレや円安にどう対応すべきか不安…」そう感じているあなたに知ってほしいのが「ショーグン債」。外貨建てでありながら日本国内で取引可能という、ちょっとユニークな外国債券です。通貨分散・高利回り・制度面の扱いやすさが魅力で、資産のグローバル運用を考える方にこそ読んでほしい内容を、わかりやすく解説します。

サクッとわかる!簡単要約

この記事を読むことで、ショーグン債という一見マニアックに思える金融商品が、実は「日本の制度内で安心して外貨運用できる選択肢」であることがわかります。米ドルやユーロなど外貨建ての利回りメリットを享受しながら、日本の証券会社で取引・管理ができるという点は、外債初心者にとっても安心材料です。また、為替リスクや流動性リスクなど、知っておくべき注意点も丁寧に整理されており、安易な購入を避ける判断材料にもなります。通貨分散やインフレ対策として資産を守りたい方にとって、非常に有益な一歩目となる情報を得られるはずです。

目次

ショーグン債とは?

ショーグン債のメリットと注意点

ショーグン債に投資するメリット

ショーグン債に投資する際の注意点

ショーグン債はこんな投資家に向いている

ショーグン債とは?

ショーグン債は、海外の政府や企業が日本市場で発行する外国債券ですが、円建てではなく外貨建て(例:米ドル、ユーロ)で発行される点が特徴です。正式には「東京外貨建て債」とも呼ばれ、発行・利払い・償還すべてが外貨で行われます。

1980年代に登場し、1985年には世界銀行が東京市場で米ドル建て債券を発行したのが代表例です。当時の円高と資本市場の国際化の流れの中で、海外発行体が外貨建てで日本の資金を取り込む手段として注目されました。

ショーグン債の多くは、発行当初から機関投資家を主な対象としており、日本の大手銀行や保険会社などがポートフォリオの分散を目的に購入するケースが一般的です。外貨での購入・利払い・償還となるため、為替リスクや管理の手間が伴い、個人投資家にはハードルが高い側面もあります。

とはいえ、外貨資産の運用を希望する富裕層の個人投資家にとっては、有力な投資選択肢となり得ます。ショーグン債という名称は、日本の「将軍」に由来し、サムライ債と対になる呼称として定着しています。

ショーグン債のメリットと注意点

「ショーグン債」とは、海外の政府や企業が日本の投資家向けに、日本の市場で発行する外国債券の一種です。主に米ドルやユーロ、豪ドルなどで発行され、日本の証券会社を通じて、外貨建て資産に投資できる商品として位置づけられます。

外貨ベースでの利回り確保や通貨分散を志向する投資家にとっては魅力的な選択肢となりますが、円建て債券とは異なるリスク構造も持ち合わせています。以下では、ショーグン債の主なメリットと注意点を整理して解説します。

ショーグン債に投資するメリット

外貨建て債券へのアクセスと管理のしやすさ

ショーグン債は日本市場で発行され、日本法に準拠して取引されるため、ユーロ債やグローバル債のような海外市場発行の外債と比べて、日本国内の制度下でスムーズに取引・管理ができるという利点があります。

外貨建て資産でありながら、購入・償還・税務手続きが日本の証券会社を通じて完結するため、外債運用の中でも比較的扱いやすいタイプといえます。

高金利通貨での利回り確保が期待できる

ショーグン債は、金利水準の高い通貨(米ドルや豪ドルなど)で発行されることが多く、円建て債券では得られない水準の利回りを確保できる可能性があります。また、円安局面では為替差益も期待でき、収益性と通貨分散の両立を目指す投資家にとっては、有力な選択肢となります。

信用力の高い発行体に外貨で投資可能

世界銀行やアジア開発銀行(ADB)、OECD加盟国政府など、信用格付けの高い発行体がショーグン債を発行することもあります。日本の証券会社を通じて、こうした高格付けの発行体の外貨建て債券にアクセスできる点は、信頼性を重視する投資家にとっての安心材料です。

日本の制度に準拠した税務・相続対応

ショーグン債は日本市場で発行されるため、利息課税や譲渡益の扱いは日本の税制に則って処理可能です。相続・贈与なども国内有価証券と同様の扱いが可能であり、海外市場発行の外債に比べて制度面でのハードルが低いのも特徴です。

ショーグン債に投資する際の注意点

為替変動による損失リスク

ショーグン債は外貨建てであるため、為替レートの変動によって円換算の元本・利息が目減りする可能性があります。

たとえば、ドル建て債券を購入し、償還時に円高が進んでいた場合、実質的な収益が大きく削られることもあり得ます。為替ヘッジを行うことも可能ですが、その分利回りは低下します。

外貨管理に伴う手間とコスト

利息や償還金の受け取りは外貨で行われるため、外貨口座の開設・維持や為替手数料、為替差損益の管理などが必要になります。

外貨資産に不慣れな投資家にとっては、一定の知識と手間がかかるため、注意が必要です。

中途売却しにくい銘柄もある(流動性リスク)

ショーグン債の多くは機関投資家向けに設計されており、個人投資家が購入できる銘柄は限定的です。また、発行本数が少ない場合や保有者が満期まで持ち切る傾向のある銘柄では、市場での流通が少なく、中途売却時に希望価格で売れない可能性もあります。

海外金利の動向を把握しにくい

債券価格は金利動向に左右されますが、ショーグン債の場合、発行通貨の国の政策金利が価格変動に直接影響します。

たとえば、米ドル建てであればFRB、ユーロ建てであればECBの政策判断が影響しますが、こうした海外金融政策の情報は、日本国内ではリアルタイムかつ体系的に把握しづらいこともあり、金利リスクの予測が難しくなる点は注意が必要です。

ショーグン債はこんな投資家に向いている

ショーグン債は、外貨建てでありながら日本国内で取引・管理が可能な外債として、外貨資産を戦略的に取り入れたい投資家にとって有力な選択肢です。

通貨分散や高利回りを目指す一方で、為替や金利、流動性といった面でのリスクもあるため、中長期視点での資産形成や分散運用を志向する富裕層・上級者向けの投資手段といえます。

購入前には、発行通貨・信用力・流動性・為替の影響などを慎重に見極め、自身の資産構成にどう組み込むかを検討することが大切です。

この記事のまとめ

ショーグン債は、為替リスクを伴う一方で、高利回りや通貨分散といった大きな魅力を持つ投資手段です。しかし「どの通貨で持つべきか」「自分のポートフォリオにどう組み込むか」「いつ・どの発行体を選ぶか」といった判断は、専門的な視点が必要になります。特に相続や長期の資産形成を意識する方にとっては、税制や継承面まで考慮したアドバイスが重要です。まずは、資産運用に詳しい専門家に相談し、ショーグン債を含めた外貨資産の位置づけを一緒に整理してみませんか?忙しい経営者こそ、今こそプロの力をうまく活用するタイミングです。

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投資のコンシェルジュ編集部は、投資銀行やアセットマネジメント会社の出身者、税理士など「金融のプロフェッショナル」が執筆・監修しています。 販売会社とは利害関係がないため、主に個人の資産運用に必要な情報を、正確にわかりやすく、中立性をもってコンテンツを作成しています。

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ショーグン債

ショーグン債とは、日本の国内市場で発行される外国の企業や政府などによる外貨建ての債券のことです。日本円ではなく、ドルやユーロなどの外国通貨で発行されますが、日本の投資家が購入できるように日本の規制や取引所のルールに沿って発行されます。 発行体が外国であるため、信用力や通貨リスクを考慮する必要がありますが、日本国内で手に入るため、海外に直接投資するよりも手軽に国際分散投資を行う手段として利用されます。「ショーグン債」という名前は、海外の発行体が日本市場に「攻め入る」イメージから名づけられたユニークな呼び名です。

外貨建て債券

外貨建て債券とは、日本円ではなく、米ドルやユーロなどの外国通貨で元本や利息の支払いが行われる債券のことです。たとえば、米ドル建ての債券であれば、利息も償還金も米ドルで支払われます。円と異なる通貨であるため、為替レートの変動によって、実際に受け取る円換算の金額が増減するリスクがあります。一方で、国内の金利よりも高い利回りが期待できる場合もあり、利回りの魅力から投資家に人気があります。為替リスクを理解し、外貨と円のバランスを考えながら投資することが大切です。

償還

償還とは、債券の満期到来時に発行体が投資家に対して元本を返済することを指します。例えば、10年満期の債券であれば、10年後に元本が返金されます。債券の発行元が満期までの間に利息を支払い、償還時に元本を返済することで投資家は利息収益と元本の返金を得ます。ただし、償還には発行体の信用力が影響し、デフォルトリスクが存在する場合があります。

利払い

利払いとは、債券などの金融商品に投資した際に、発行体から定期的に支払われる利息のことです。これは、投資家がその債券にお金を貸していることに対する「借り賃」のようなもので、通常は半年に一度や年に一度のペースで支払われます。たとえば、年利2%の債券に100万円を投資した場合、年間で2万円の利息が支払われ、そのうちの1万円が半年ごとに利払いとして受け取れる形になります。利払いは債券の収益の重要な部分であり、投資先の信用力や金利の水準によって金額が変わるため、投資判断の大切なポイントになります。

為替リスク

為替リスクとは、異なる通貨間での為替レートの変動により、外貨建て資産の価値が変動し、損失が生じる可能性のあるリスクを指します。 たとえば、日本円で生活している投資家が米ドル建ての株式や債券に投資した場合、最終的なリターンは円とドルの為替レートに大きく左右されます。仮に投資先の価格が変わらなくても、円高が進むと、日本円に換算した際の資産価値が目減りしてしまうことがあります。反対に、円安が進めば、為替差益によって収益が増える場合もあります。 為替リスクは、外国株式、外貨建て債券、海外不動産、グローバルファンドなど、外貨に関わるすべての資産に存在する基本的なリスクです。 対策としては、為替ヘッジ付きの商品を選ぶ、複数の通貨や地域に分散して投資する、長期的な視点で資産を保有するなどの方法があります。海外資産に投資する際は、リターンだけでなく、為替リスクの存在も十分に理解しておくことが大切です。

格付け(信用格付け)

格付け(信用格付け)とは、取引をする際に参考にされる基準の一つで、取引の相手側の信用度を確認するために支払い能力や財務状況、安全性などを総合的にランク付けしたものである。アルファベットや数字で表されるのが一般的である。 (例)格付投資情報センター(https://www.r-i.co.jp/index.html) による発行体格付の定義 AAA:信用力は最も高く、多くの優れた要素がある。 AA:信用力は極めて高く、優れた要素がある。 A:信用力は高く、部分的に優れた要素がある。 BBB:信用力は十分であるが、将来環境が大きく変化する場合、注意すべき要素がある。 BB:信用力は当面問題ないが、将来環境が変化する場合、十分注意すべき要素がある。 B:信用力に問題があり、絶えず注意すべき要素がある。 CCC:発行体の金融債務が不履行に陥る懸念が強い。 CC:発行体の金融債務が不履行に陥っているか、その懸念が極めて強い。 C:発行体のすべての金融債務が不履行に陥っているとR&Iが判断する格付。

政策金利

政策金利とは、中央銀行が民間の金融機関に資金を貸し出す際の基準となる金利のことで、金融政策の中核をなすツールです。 中央銀行はこの金利を操作することで、経済全体の金利水準や通貨の流れを調整し、景気や物価の安定を図ります。たとえば、景気が冷え込んでいるときには政策金利を引き下げて(利下げ)お金を借りやすくし、消費や投資を促進します。逆に、インフレが進みすぎているときには政策金利を引き上げて(利上げ)需要を抑え、物価の上昇をコントロールしようとします。 政策金利の変更は、住宅ローンや企業の融資金利、預金金利など、私たちの生活に関わる金利にも波及します。また、株式市場・債券市場・為替市場にも大きな影響を与えるため、投資家にとっては極めて重要な経済指標です。 たとえば、中央銀行が予想以上に利上げを行った場合は、株式市場が下落し、通貨が上昇する可能性があります。逆に利下げが行われれば、株高・通貨安につながることが一般的です。 各国の中央銀行(例:日本銀行、FRB、ECBなど)は、定期的に会合を開き、経済情勢や物価の動向を見ながら政策金利を調整しています。

発行体

発行体とは、債券や株式などの金融商品を市場に出して資金を調達する側のことを指します。債券であれば、お金を借りる側であり、投資家から集めた資金を使って事業活動や設備投資などを行います。発行体には、国や地方自治体、企業、政府機関などさまざまな種類があります。投資家にとっては、発行体の信用力や財務状況がその金融商品の安全性や利回りに大きく影響するため、誰が発行しているのかをしっかりと確認することが重要です。信頼できる発行体であれば、安定した利息や元本の返済が期待できます。

ユーロ債

ユーロ債とは、発行体の本国とは異なる国の通貨で発行される国際的な債券のことです。たとえば、日本の企業がアメリカ以外の国で米ドル建ての債券を発行する場合、それはユーロ債と呼ばれます。 「ユーロ」という名前がついていますが、ユーロ通貨とは関係なく、「自国以外の市場で発行される外貨建て債券」という意味です。国際的な資金調達手段として使われることが多く、発行通貨の種類や発行市場に応じて「ユーロドル債」や「ユーロ円債」といった名称が使われることもあります。投資家にとっては、国際分散投資の一環として利回りや通貨の選択肢を広げられる魅力があります。

グローバル債

グローバル債とは、複数の国や地域の投資家を対象に同時に発行される債券のことです。ひとつの債券を通じて、アメリカやヨーロッパ、日本などの異なる市場で一斉に販売されるため、広い範囲で資金を集めることができます。 発行体は主に各国の政府や大手企業で、通貨は米ドルやユーロ、日本円などで発行されます。グローバル債は、国際的に取引されるため流動性が高く、売買しやすいという特徴があります。投資家にとっては、世界中の市場で通用する債券に投資できる点が魅力であり、国際分散投資の手段として活用されています。

通貨分散

通貨分散とは、資産を複数の異なる通貨で保有することで、特定の通貨に偏ったリスクを抑える投資手法のことです。たとえば、すべての資産を日本円で持っていると、円の価値が下がったときに資産全体の価値も目減りしてしまいますが、米ドルやユーロなど他の通貨で一部を保有していれば、その影響をやわらげることができます。通貨分散を行うことで、為替変動による影響を平均化し、より安定した資産運用を目指すことができます。 特に外貨建ての債券や投資信託などを活用することで、自然と通貨分散が実現できます。長期的な資産形成を考えるうえで、重要なリスク管理の一つです。

利回り

利回りとは、投資によって得られる収益を「投資金額に対する割合」で示したものです。ここでいう収益は利息だけでなく、投資商品を売却したときの損益(キャピタルゲインやキャピタルロス)なども含まれます。一般的には、1年間を基準とした「年利回り」として表されることが多いです。 また、利回りには大きく分けて「単利」と「複利」があります。単利は元本に対してのみ利息がつくのに対し、複利は再投資を前提とするため、同じ利率でも長期運用すると結果に大きな違いが出る可能性があります。

債券

債券(サイケン、英語表記:Bond)とは、発行者が投資家に対して将来一定の金額を支払うことを約束する金融商品です。 国や地方自治体、企業などが資金を調達する目的で発行し、投資家はこれを購入することで、定期的に利息(クーポン)を受け取ります。満期が来ると、投資した本金が返済されます。 債券はリスクが比較的低く、安定した収入を求める投資家に選ばれることが多いです。 また、市場で自由に売買が可能であるため、流動性も確保されています。債券市場は世界的にも広がりを見せており、多様な投資戦略に利用されています。

外債(外国債券)

外債とは、日本の投資家から見て、外国の政府や企業などが発行する債券のことを指します。発行される場所や通貨はさまざまで、たとえばアメリカの企業が米ドルで発行する債券や、ヨーロッパの政府がユーロで発行する債券などが含まれます。 外債は、国内の債券よりも高い利回りが期待できる場合がありますが、為替リスクや信用リスク、政治・経済の変動など、海外特有のリスクも伴います。投資する際には、その国や発行体の信用力、為替相場の動向をよく確認することが大切です。うまく活用すれば、資産運用の幅を広げ、通貨や地域の分散を図る手段として有効です。

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