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エンジェル税制の非課税と課税繰延べの違いは?
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2024/08/01 08:01
エンジェル税制において、起業特例やプレシード・シード特例は20億円の出資まで非課税で、それを超える分は課税繰延べ、優遇措置A,Bは課税繰延べが優遇内容とされています。 非課税と課税繰延べの違いはなんですか? どちらの方が節税できますか?
投資のコンシェルジュ編集部
非課税と課税繰延べは、その年に一定金額が課税対象から外れるという点で共通していますが、その金額が将来課税対象とされるかどうかが違います。他の条件が同じであれば非課税の方が節税効果が高いです。
課税繰延べは繰延べ相当金額が将来株式譲渡益として課税されます。一方、非課税であれば将来の課税もありません。
エンジェル税制の優遇措置Aはその年の総所得から「投資相当金額から2,000円を引いた金額」を控除し、課税繰延べ可能です。
優遇措置Bはその年の株式譲渡益から投資相当金額を控除して課税繰延べが可能です。
これらは課税繰延なのでその年には課税されませんが、将来株式を売却したときには繰延相当金額が売却益とともに課税されます。
起業特例やプレシード・シード特例では、その年の株式の売却益から20億円の出資まで非課税となります。しかも売却時に売却益に追加して課税されることはありません。ただし、20億円を超える金額は課税繰延べですので、将来株式譲渡益として売却益にプラスして売却時に課税されます。
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課税の繰り延べ
課税の繰り延べとは、税制の特例措置などを利用した場合に、課税を将来に先送りすることをいいます。 設備投資やエンジェル投資など、多額のキャッシュアウトが発生する場合、そこに課税されると瞬間的な費用負担が大きくなるという問題があります。課税を繰り延べることにより、キャッシュアウトを分散させることでキャッシュフローが安定する、という効果があります。 ただし、あくまでも先送りであって将来納税負担があることや、適用条件が様々に付与されていることに注意が必要です。
スタートアップ
スタートアップとは、新たなビジネスを立ち上げる企業で、特に革新性や成長のポテンシャルが求められます。通常、テクノロジー関連のアイデアやサービスを基にした企業が多く、迅速な成長を目指します。 成長度合いにより、4つのステージに大別され、シードステージ、アーリーステージ、ミドルステージ、レイターステージの順に成長したことを示します。
シード
スタートアップ企業は成長度合いによって「シード」「アーリー」「ミドル」「レイター」と4つのステージに分類されます。 シードステージとは、ビジネスモデルの確立や市場検証といった活動を中心として行い、収益化に向けた取り組みが進み始めます。 シードステージにおける資金調達をシードラウンドと呼びます。シードラウンドで得られた資金は、プロトタイプ制作や市場テスト、初期のマーケティング活動などに利用され、投資家は主にエンジェル投資家やベンチャーキャピタルが中心となります。
プレシード
プレシードとは企業の発展の段階や資金調達が「シード」よりも前の段階であることを意味しています。発展の段階の場合はプレシードステージ、資金調達の場合はプレシードラウンド(別名エンジェルラウンド)と呼びます。 プレシードステージとは、スタートアップにおける成長の最初の段階で、創業前後にアイデアを形にする時期です。 プレシードステージで行う資金調達をプレシードラウンドいい、創業前後の段階で行われる資金調達の初期ラウンドを指します。アイデアやコンセプトを具体化するための資金を集めることが目的としており、一般的に、エンジェル投資家や親族、友人からの投資が主な資金源となります。
エンジェル投資家
エンジェル投資家とは、創業間もないスタートアップ企業に対して投資をする個人投資家のことです。スタートアップ企業の株式の価値がまだ低いときに、将来性を見込んで株式を取得し、市場価値が高まりEXITをする際に株式を売却することで大きなキャピタルゲインを得ることを目的としています。 エンジェル投資家は、金銭面だけでなく、経営のノウハウや人脈なども提供し、スタートアップ企業の成長を支援する場合があります。