専門家に質問
個人向け国債は中途換金すると元本割れしますか?
男性
/ 60代
解決済み
0
2024/09/26 09:39
退職金の運用についてご質問させてください。 株などに投資すると、株価が落ちたときが怖いので安定資産を検討しています。銀行預金では利率が低いため、個人向け国債への投資を勧められました。個人向け国債の満期前に現金が必要になった場合、中途換金することも考えられますが、その場合元本割れするのでしょうか? 初歩的な質問で恐縮ですが、ご教示いただけますと幸いです。
投資のコンシェルジュ編集部
個人向け国債を中途換金する場合でも、基本的には元本割れが起こらないような設計になっています。
個人向け国債の中途換金は、原則として購入後1年後以降です。個人向け国債は年2回利子の支払いがあるため、利子を2回受け取った後となります。
基本的には中途換金する際の金額は以下のとおりです。
中途換金時の受取額 = 元本 + 経過利子相当額 - 中途換金調整額
経過利子相当額とは、中途換金時点の利子を日割りにした金額です。例えば、2年1ヶ月保有していたら、4回利払いがあるため、利子を4回受け取っていますが、1ヶ月分の利子は受け取っていません。換金時にはこの1ヶ月分の利子を元本に乗せ支払われます。
また、中途換金調整額は、利子の受取回数により異なります。
利子を2回受け取って中途換金する場合は、以下のとおりです。
中途換金調整額 = 直前2回分の各利子(税引前)相当額 × 0.79685 - 初回の利子の調整額(税引前)相当額
初回の利子の調整額とは、初回の利払日が債権購入から半年未満の場合に不足する日数分の利子を追加して購入する金額のことです。1回目の利子受取に際して調整額を支払っているため、利子の受取が2回の場合はこの調整額分が中途換金調整額から減額されます。
利子を3回以上受け取って中途換金する場合は以下の通りです。
中途換金調整額 = 直前2回分の各利子(税引前)相当額 × 0.79685
中途換金時点での総受取金額は
元本 + 保有時点までの利子 - 中途換金調整額
となり、中途換金調整額は利子よりも小さくなるようになっています。
そのため、個人向け国債は中途換金しても元本割れしない商品となっています。
ただし、個人が購入できる国債は、個人向け国債以外にも、「新窓販国債」があります。新窓販国債については、金融機関を通じて市場取引も可能なため元本割れする可能性があります。
個人向け国債は、1年間は換金することなく保有できるのであれば安全資産として有望な商品ですが、他の保有資産とのバランスも踏まえて保有判断をされたい場合には、専門家へも一度ご相談されることをおすすめします。