専門家に質問
債券にも含み損があるんですか?
男性
/ 40代
解決済み
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2024/06/03 15:18
農林中央金庫が債券の含み損で赤字が膨らんでいるというニュースを見ました。調べてみると、地銀やアメリカの銀行も、債券の含み損の影響を大きく受けているということです。 債券投資を行うにあたって、株と違って額面価格が変化しないので含み損とは無縁と思っていたのですが、債券にも含み損があるのでしょうか?また、債券の含み損の影響は個人でも気にする必要がありますか?
投資のコンシェルジュ編集部
債券にも含み損は存在します。
債券の含み損とは、保有している債券の時価が購入時の価格を下回っている状態のことを指します。具体的には以下の2パターンで含み損が発生します。
- 金利上昇による債券価格の下落
債券の価格と金利は逆の関係にあります。
- 金利が上昇すると、新たに発行される債券の利回り(金利)が高くなります。
- そうすると、既に保有している低い利回りの債券の価値が相対的に下がります。
- つまり、保有債券の価格が下落し、購入時よりも安値になる=含み損が発生します。
- 発行体の信用力低下
債券は発行体(国や企業など)の信用力を考慮して発行されます。発行体の信用力が低下すれば、債券の価値も下がります。
- 発行体の経営が悪化し、債務不履行(デフォルト)リスクが高まれば、債券価格は下落します。
- 格付け機関による発行体の格下げも、債券価格の下落=含み損発生の要因になります。このように、金利上昇や発行体の信用力低下により、債券の時価が購入価格を下回ると含み損が発生するのです。
銀行など、機関投資家の場合は定期的に決算を行う必要があります。その際、償還前の債券についても時価評価が行われ、含み損は当期の損失として計上する必要があります。
個人の場合は、このように決算を行う必要がありません。そのため、償還まで保有する債券については、満期に額面の全額が支払われるため、含み損の影響を受けません。ただし、途中売買する場合においては、金利上昇や発行体の信用力低下により債券価格が下落している可能性があり、その際損失が発生する可能性があります。