コモディティETFの為替リスクをどう考慮すればいい?
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2025/04/17 11:45
男性
30代
円建てで投資可能なコモディティETFであっても、基礎資産がドル建てである以上、為替リスクを無視できないと考えています。このリスクについて、実務上どのように評価・管理すべきかアドバイスをいただけますか。
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
おっしゃる通り、たとえ円建てで投資できるコモディティETFであっても、裏付け資産がドル建てである限り、為替変動の影響は避けられません。為替ヘッジが付いていない場合、ドル円相場の変動によって、基礎となるコモディティ価格と無関係に基準価額が上下する可能性があります。たとえば、ドル建ての金価格が上昇していても、急激な円高が進行すれば、円換算ベースでは評価額が下がることもあるのです。
実務面では、まずポートフォリオ全体の通貨エクスポージャーを定量的に把握し、為替感応度を見積もることが重要です。そのうえで、為替リスクを中長期で許容できる水準に抑えるための手段として、為替ヘッジ付きETFの活用や、円建て資産とのバランス調整による通貨分散を検討するべきです。特に外貨資産の割合が高まる局面では、為替変動が全体パフォーマンスに与える影響が大きくなるため、ヘッジの要否を定期的に見直すことが肝要です。
もし為替リスクの定量的な影響分析や、ヘッジ戦略の組み入れにご不安がある場合は、専門家に相談のうえ、ご自身の運用方針に合った対応策を構築されることをおすすめします。
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コモディティ
コモディティとは、世界中で取引される原材料や商品を指します。代表的なものとして、金・銀などの貴金属、原油・天然ガスなどのエネルギー資源、小麦・トウモロコシなどの農産物があります。投資対象としてのコモディティは、インフレ時のリスクヘッジや分散投資の手段として利用されることが多いです。市場の需給バランスや国際情勢によって価格が大きく変動するため、リスク管理が重要になります。
為替リスク
為替リスクとは、異なる通貨間での為替レートの変動により、外貨建て資産の価値が変動し、損失が生じる可能性のあるリスクを指します。 たとえば、日本円で生活している投資家が米ドル建ての株式や債券に投資した場合、最終的なリターンは円とドルの為替レートに大きく左右されます。仮に投資先の価格が変わらなくても、円高が進むと、日本円に換算した際の資産価値が目減りしてしまうことがあります。反対に、円安が進めば、為替差益によって収益が増える場合もあります。 為替リスクは、外国株式、外貨建て債券、海外不動産、グローバルファンドなど、外貨に関わるすべての資産に存在する基本的なリスクです。 対策としては、為替ヘッジ付きの商品を選ぶ、複数の通貨や地域に分散して投資する、長期的な視点で資産を保有するなどの方法があります。海外資産に投資する際は、リターンだけでなく、為替リスクの存在も十分に理解しておくことが大切です。
為替ヘッジ
為替ヘッジとは、為替取引をする際に、将来交換する為替レートをあらかじめ予約しておくことによって、為替変動のリスクを抑える仕組み。海外の株や債券に投資する際は、その株や債券の価値が下がるリスクだけでなく、為替の変動により円に換算した時の価値が下がるリスクも負うことになるので、後者のリスクを抑えるために為替ヘッジが行われる。
エクスポージャー
エクスポージャー(Exposure)とは、投資家が保有している資産のうち、リスクにさらされている資産の割合や総量のこと。一般にエクスポージャーは金融エクスポージャーとマーケットエクスポージャーに分けることができ、前者は投資した資金を失うリスクのこと、後者は1つの資産が受ける複数の市場リスクのことを言う。
ヘッジ戦略
ヘッジ戦略とは、資産運用において価格変動リスクを抑えるための手法のことです。主に先物取引、オプション取引、通貨スワップなどを活用し、市場の変動による損失を最小限に抑えます。例えば、株式投資を行う際に、下落リスクに備えてプットオプションを購入することが一例です。ヘッジを行うことでリスクは軽減できますが、同時に利益の機会を制限する可能性もあります。