毎月分配型のファンドって長期的に得になるんでしょうか?
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2025/04/25 16:27
男性
60代
分配金が毎月もらえる投資信託に魅力を感じているのですが、再投資が難しいと聞きました。資産を長く運用する場合にも向いているのでしょうか?
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
毎月分配型投信は、毎月の家計に現金収入をもたらす反面、受け取るたびに約20.3%の税が差し引かれ、分配金を再投資しない限り複利効果が目減りします。
しかも分配金の一部が元本払い戻し(特別分配)になると、市場で得た運用益ではなく自分の資金を取り崩すだけなので、表面利回りほど資産は増えません。
長期で資産を「育てる」段階では、無分配型や分配頻度が低いファンドで運用益を内部に蓄積し、必要な現金はファンドの一部を売却して確保する方が、課税を先送りでき総合リターンが高まりやすいでしょう。逆に退職後など「使う」段階に入り、定期的な生活費の補填や分配額の目安で家計を管理したい場合には、毎月分配型が便利です。自分がいま資産形成フェーズにいるのか取り崩しフェーズにいるのかを見極め、目的に合った分配頻度を選ぶことが最善策となります。
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分配金
投資信託の収益から投資家に還元するお金のこと。 決算時に支払われるのが一般的。 ただし、運用成果や今後の運用戦略を考慮したうえで運用会社が決めるため、決算期ごとに毎回支払われるとは限らず、金額も未定。 分配金の支払い原資は投資信託の資産であり、分配金を支払うと資産は減る。 このため、分配金を支払うことで、その分だけ基準価額が下がる。
利回り
利回りとは、投資によって得られる収益を「投資金額に対する割合」で示したものです。ここでいう収益は利息だけでなく、投資商品を売却したときの損益(キャピタルゲインやキャピタルロス)なども含まれます。一般的には、1年間を基準とした「年利回り」として表されることが多いです。 また、利回りには大きく分けて「単利」と「複利」があります。単利は元本に対してのみ利息がつくのに対し、複利は再投資を前提とするため、同じ利率でも長期運用すると結果に大きな違いが出る可能性があります。
ファンド
ファンドとは、多くの投資家から集めたお金をひとつにまとめて、専門の運用会社が株式や債券、不動産などに投資・運用する金融商品のことです。 投資家は自分で個別の銘柄を選ばなくても、ファンドを通じて分散された投資ができるため、リスクを抑えながら運用が可能になります。ファンドには、投資信託、ETF(上場投資信託)、ヘッジファンドなどさまざまな種類があり、それぞれ運用方針や対象資産が異なります。初心者にとっては、少額から始められ、プロによる運用が受けられる点が大きなメリットです。ただし、運用成績によって元本割れのリスクもあるため、目的やリスク許容度に応じて選ぶことが大切です。
リターン
リターンとは、投資によって得られる利益や収益のことを指します。たとえば、株式を購入して値上がりした場合の売却益(キャピタルゲイン)や、債券の利息、投資信託の分配金(インカムゲイン)などがリターンにあたります。 これらを合計したものは「トータルリターン」と呼ばれ、投資の成果を総合的に示す指標です。リターンは、元本に対してどれだけ増えたかを「%(パーセント)」で表し、特に長期投資では「年率リターン」で比較されることが一般的です。 リターンが高いほど投資先として魅力的に感じられますが、そのぶんリスク(価格変動の可能性)も高くなる傾向があるため、自分の目的やリスク許容度に応じて、適切なリターンを見込むことが大切です。