自分のリスク許容度を判断するにはどうすればいいでしょうか?
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2025/04/23 15:23
男性
40代
「リスク許容度に合った運用を」とよく言われますが、自分がどの程度のリスクを取れるかを判断する方法が分かりません。何か基準のようなものがあるのでしょうか?
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
リスク許容度とは、資産が値下がりした際に心理的・経済的にどこまで耐えられるかを示す「損失耐性」の指標です。ここを正確に把握しないまま運用を始めると、相場の揺れに動揺して途中解約し、本来得られるはずのリターンを取り逃す原因になります。
まず、自分に三つの問いを投げかけてください。①「保有資産が一時的に20%下落しても冷静に続けられるか」。②「その下落が生活費や教育費など必須支出に影響しないか」。③「近い将来に住宅購入や留学など大きな出費が控えていないか」。いずれかに強い不安を覚えるほど、許容度は低めと判断できます。
次に、年齢・収入の安定度・家族構成・投資経験・総資産に占める投資額の割合といった客観要素を整理しましょう。たとえば、現役世代で収入が伸び盛りなら、下落を取り返す時間的余裕があります。一方、退職間近で生活資金を取り崩す段階なら、値動きの小さな商品を中心に据える方が安心です。
行動面では、価格変動の小さなインデックスファンドや積立型商品から小規模に始め、運用に慣れるに従って株式などリスク資産の比率を段階的に引き上げると、経験値と許容度を同時に育てられます。
証券会社や金融機関のリスク診断ツールで数値化すれば、主観バイアスを抑えられます。診断結果に迷いが残る場合や複数の制約条件がある場合は、ファイナンシャル・プランナーなどの専門家に相談し、許容度に合致した資産配分と長期シミュレーションを確認すると安心です。
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リスク許容度
リスク許容度とは、自分の資産運用において、どれくらいの損失までなら精神的にも経済的にも受け入れられるかという度合いを表す考え方です。 投資には必ずリスクが伴い、時には資産が目減りすることもあります。そのときに、どのくらいの下落まで冷静に対応できるか、また生活に支障が出ないかという観点で、自分のリスク許容度を見極めることが大切です。 年齢、収入、資産の状況、投資経験、投資の目的などによって人それぞれ異なり、リスク許容度が高い人は価格変動の大きい商品にも挑戦できますが、低い人は安定性の高い商品を選ぶほうが安心です。自分のリスク許容度を正しく理解することで、無理のない投資計画を立てることができます。
インデックスファンド
インデックスファンドとは、特定の株価指数(インデックス)と同じ動きを目指して運用される投資信託のことです。たとえば「日経平均株価」や「TOPIX(東証株価指数)」などの市場全体の動きを示す指数に連動するように設計されています。この仕組みにより、個別の銘柄を選ぶ手間がなく、市場全体に分散投資ができるのが特徴です。また、運用の手間が少ないため、手数料が比較的安いことも魅力の一つです。投資初心者にとっては、安定した長期運用の第一歩として選びやすいファンドの一つです。
アセットアロケーション(資産配分)
アセットアロケーション(Asset allocation)とは、資産配分という意味で、資金を複数のアセットクラス(資産グループ)に投資することで、投資リスクを分散しながらリターンを獲得するための資産運用方法。アセットアロケーションは戦略的アセットアロケーションと戦術的アセットアロケーションの2つを組み合わせることで行われ、前者は中長期的に投資目的・リスク許容度・投資機関に基づいて資産配分を決定し、後者は短期的に投資対象の資産特性に基づいて資産配分を決定する。
ファイナンシャル・プランナー(FP)
ファイナンシャル・プランナーとは、お金に関する幅広い知識を持ち、個人や家庭のライフプランに応じた資金計画や資産運用、保険、税金、年金、相続などについてアドバイスを行う専門家のことです。略して「FP(エフピー)」と呼ばれることもあります。例えば、子どもの教育資金や老後の生活費をどのように準備するか、住宅ローンをどう組むべきか、保険は見直すべきかといった具体的な悩みに対して、相談者の状況に合ったプランを提案してくれます。国家資格や民間資格を持つファイナンシャル・プランナーが存在し、中立的な立場でアドバイスをしてくれる点が信頼されています。投資や家計管理に自信がない方にとって、人生の重要なお金の意思決定をサポートしてくれる心強い存在です。