45歳会社員です。確定給付年金で将来いくら貰えるか知るにはどうすればいいですか?
男性
/ 40代
解決済み
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2024/10/31 23:41
45歳会社員です。今まで確定給付年金(DB)についてまったく気にしていませんでしたが、老後のことを考えると自分が将来どのくらいもらえるのか気になり始めました。 そもそもDBとはどんな仕組みで、どのように受け取れるのか、税制優遇などあるのかを教えていただけますか?初歩的な質問で恐縮ですが、よろしくお願いします。
投資のコンシェルジュ編集部
確定給付企業年金(DB)は、会社があなたの将来の年金のために掛金を拠出し、その運用も会社が責任を持って行い、「将来受け取れる年金額が確定している」企業年金です。将来給付される金額が確定していることから、確定給付年金と言う名前です。
会社が年金の掛け金を拠出し運用する、ということは、運用に失敗するのでは?と心配されることもありますが、この点は安心です。運用の成績が悪くても、給付額は確定しており約束された年金額は保証されています。
DBの受取方法は大きく分けて3つ、年金と一時金、年金と一時金を組み合わせたハイブリッドです。
年金として受け取る場合は、毎月または半年ごとに決まった金額が振り込まれます。一時金として受け取る場合は、退職時に一括で受け取ることができます。
一時金と年金をハイブリッドで受け取ることも可能です。比率設定や選択方法などは企業によって異なりますが25%,50%,75%など一時金として受け取る比率を設定し、残りを年金として受け取る事が可能です。詳細は会社ごとに異なり、個別に確認が必要です。
税制面では、どちらの受取方法でも優遇措置があります。年金として受け取る場合は「公的年金等控除」が適用されます。一時金で受け取る場合は「退職所得控除」が適用され、勤続年数が長いほど控除額が大きくなります。例えば、20年以下の場合は年40万円×勤続年数(最低80万円)、20年超の場合は800万円+70万円×(勤続年数-20年)が控除されます。
具体的な受給額は、会社の規定によって計算方法が決められています。多くの企業では「ポイント制」を採用しており、勤続年数に応じた基本ポイントと、役職や成果に応じた追加ポイントで計算されます。つまり、同じ勤続年数でも、昇進が早い人のほうが受給額は増える仕組みになっています。
受給額を確認する方法としては:
- 会社の人事部門に問い合わせる
- 企業年金連合会に照会する(基礎年金番号が必要です)
- 就業規則や退職金規程を確認する
のいずれかの方法で確認できます。
また、万が一お勤め先の会社が経営破綻しても、年金資産は外部の金融機関で管理されているため、約束された給付は保護される、という特徴もあります。
ただし、最近は多くの企業がDBから確定拠出年金(DC)への移行を進めています。もしあなたの会社でもそのような動きがある場合は、早めに確認しておくことをお勧めします。
具体的な年金額の試算や受取方法の詳細な検討については、各企業の規約によって異なっています。会社等から情報を取り寄せたうえで、ファイナンシャルアドバイザーなどの専門家に相談することもお勧めです。老後の計画を早期から立てておくことは非常に重要です。ぜひ、DBについてご状況を把握されライフプランニングにお役立てください。
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確定給付年金
確定給付年金(Defined Benefit)とは、受給者の給与や勤務年数などによってあらかじめもらえる金額が決まっている年金のこと。給付額が制度資産の利回りに依拠しないという特徴がある。確定給付企業年金を指す言葉として用いられることもある。受給者に対するメリットとしては、確定給付年金(DB)は確定拠出年金(DC)と比べて資産管理に気を使わなくてよく、老後の安定的な収入源になるが、償却負担が重い場合には給料に悪影響を及ぼす可能性があり、受給権がわかりにくいというデメリットがある。
確定拠出年金
確定拠出年金(Defined Contribution)とは、受給者自身が資産を運用する年金制度で、個人型と企業型に分けることができる。受給者は、自らや企業が搬入した掛け金を運用し、受給要件を満たした際に給付金を受け取ることができる。給付額はそれぞれの運用法によって異なるので、老後の給付額は現役時代には確定しない。 受給者に対するメリットとしては、確定拠出年金(DC)は確定給付年金(DB)と比べて受給権が確立されていることや、自身のDC資産のみを管理すればいいことが挙げられるが、価格変動が生じるため給付額が見込みでしか計算できないというデメリットがある。
確定給付企業年金 (DB)
確定給付型企業年金(DB)とは、企業が従業員の退職後に受け取る年金額を保証する企業年金制度です。あらかじめ決められた給付額が支払われるため、従業員にとっては将来の見通しが立てやすいのが特徴です。DBには規約型と基金型の2種類があります。規約型は、企業が生命保険会社や信託銀行などの受託機関と契約し、受託機関が年金資産の管理や給付を行う仕組みです。基金型は、企業が企業年金基金を設立し、その基金が資産を運用し、従業員に年金を給付する仕組みです。確定拠出年金(DC)との大きな違いは、DBでは企業が運用リスクを負担する点であり、運用成績にかかわらず従業員は決まった額の年金を受け取ることができます。一方、DCでは従業員自身が運用を行い、将来受け取る年金額は運用成績によって変動します。DBのメリットとして、従業員は退職後の給付額が確定しているため安心感があることが挙げられます。また、企業にとっては従業員の定着率向上につながる点も利点となります。しかし、企業側には年金資産の運用成績が悪化した場合に追加の負担が発生するリスクがあるため、財務的な影響を考慮する必要があります。