バランス型ファンドはおすすめしないと言われましたがなぜですか?
解決済み
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2024/12/12 00:07
女性
30代
現在、NISAで資産運用を行っています。より幅広く分散投資をするためにバランスファンドの使用を検討しています。しかし、知人から、バランスファンドはおすすめしないといわれました。これはなぜでしょうか?
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
バランスファンドは、運用のプロが複数の資産に投資することで資産クラスの分散が可能で便利な反面、コストが高い、市場変化への対応が難しい、個人にとってバランスの良い資産配分となるとは限らない、という注意点もあります。
バランスファンドは、複数の資産クラスで運用するため、配分率の調整のために売買を繰り返します。そのため、運用コストがかかり、信託報酬も高く設定される傾向があります。
例えば「投資のソムリエ」は信託報酬が年率1.54%(2024年12月現在)と比較的高めです。
また、市場環境への対応が難しいという課題があります。特に資産配分が固定されているタイプのバランスファンドは、相場状況が大きく変化しても機動的な対応が困難です。
例えば、REITが高騰した場合、保有する不動産の資産比率が高まります。そのまま保持していると価格が向上し、高い分配金を得られる見込みがあったとしても、リバランスのためにREITを売却し、他の資産クラスに買い替えるという対応をします。そのため、個別の資産クラスを保有しているよりも、パフォーマンスが上がりにくいという欠点があります。
さらに、バランスファンド自体で分散投資をしたとしても、ご相談者様が他に保有している資産とバランスが取れる、というわけではありません。株式中心の投資信託が資産の半分だとして、株式50%、債券・REITに25%ずつの配分のバランスファンドが資産のもう半分だった場合、株式の比率が非常に高いポートフォリオになり、期待されるほどの分散効果が得られないかもしれません。
このように、個人の資産運用に関する細かいニーズは受け止められず、全体的な資産配分のバランスはご自身で考慮する必要がある点も注意が必要です。
ただし、これらの課題があるからといって、バランスファンドが不適切な選択というわけではありません。投資の目的や期間、リスク許容度などを総合的に考慮し、自身の投資方針に合致するかどうかを判断することが重要です。
必要に応じて資産運用の専門家に相談しながら、慎重に検討することをお勧めします。
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信託報酬とは、投資信託を運用するための費用として、投資家が保有資産に対して負担する手数料です。運用会社、販売会社、受託会社が投資信託の運用や管理に必要な費用をカバーするために徴収されます。費用は年間の信託財産の一定割合(例:0.1~2%)で計算され、投資信託の純資産価値(基準価額)から日々差し引かれます。そのため、運用成績が悪い場合でも信託報酬は発生し、投資信託を選ぶ際の重要な比較要素となります。
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アクティブ運用は、日経平均やNASDAQなどの市場指標(ベンチマーク)を上回る運用成績を目指す投資手法です。この手法では、ファンドマネージャーが特定の銘柄やセクターを積極的に選別して投資を行います。 運用手法には主に2つのアプローチがあります。トップダウンアプローチは市場全体を俯瞰して投資環境を予測し、そこから投資対象を決定します。一方、ボトムアップアプローチは、個別企業への調査や訪問を通じて投資対象を選定していきます。 アクティブ運用は、パッシブ運用と比べて高いリターンが期待できる反面、運用コストが高くなり、リスクも増大する傾向があります。また、運用成績はファンドマネージャーの運用能力に大きく依存するという特徴があります。
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リバランスとは、ポートフォリオを構築した後、市場の変動によって変化した資産配分比率を当初設定した目標比率に戻す投資手法です。 具体的には、値上がりした資産や銘柄を売却し、値下がりした資産や銘柄を買い増すことで、ポートフォリオ全体の資産構成比率を維持します。これは過剰なリスクを回避し、ポートフォリオの安定性を保つためのリスク管理手法として、定期的に実施されます。 例えば、株式が上昇して目標比率を超えた場合、その一部を売却して債券や現金に再配分するといった調整を行います。なお、近年では自動リバランス機能を提供する投資サービスも登場しています。