信託報酬って何ですか?高いとどうなるんでしょうか?
回答受付中
0
2025/04/23 15:36
男性
40代
投資信託の説明を見ていると「信託報酬〇%」という表記がよく出てきます。でも、この数字が高いと何が問題なのか、いまいちピンときません。初心者でも気にするべきなんでしょうか?
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
信託報酬は、ファンドの運用・管理にかかる恒常的な手数料です。口座から直接引かれるわけではなく、基準価額に毎日組み込まれて差し引かれるため「見えにくいコスト」ですが、複利効果を鈍らせる点で無視できません。
たとえば100万円を年利5%で20年間運用すると仮定すると、年0.3%の信託報酬なら最終評価額は約250万円、年1.0%なら約219万円にとどまり、手数料差だけで30万円以上の開きが生じます。これは元本の3割に相当する大きさです。
一般にインデックスファンドは0.1〜0.5%と低水準で、長期投資向き。一方、アクティブファンドは1%超が多く、「高コストを上回る超過リターンを安定的に得られるか」が選定の判断基準になります。同じ投資対象であれば信託報酬は低いほど有利—まずはこの原則を押さえ、投資目的とリスク許容度に応じて比較検討しましょう。
関連記事
関連質問
関連する専門用語
信託報酬
信託報酬とは、投資信託を運用するための費用として、投資家が保有資産に対して負担する手数料です。運用会社、販売会社、受託会社が投資信託の運用や管理に必要な費用をカバーするために徴収されます。費用は年間の信託財産の一定割合(例:0.1~2%)で計算され、投資信託の純資産価値(基準価額)から日々差し引かれます。そのため、運用成績が悪い場合でも信託報酬は発生し、投資信託を選ぶ際の重要な比較要素となります。
インデックスファンド
インデックスファンドとは、特定の株価指数(インデックス)と同じ動きを目指して運用される投資信託のことです。たとえば「日経平均株価」や「TOPIX(東証株価指数)」などの市場全体の動きを示す指数に連動するように設計されています。この仕組みにより、個別の銘柄を選ぶ手間がなく、市場全体に分散投資ができるのが特徴です。また、運用の手間が少ないため、手数料が比較的安いことも魅力の一つです。投資初心者にとっては、安定した長期運用の第一歩として選びやすいファンドの一つです。
アクティブファンド
アクティブファンドとは、運用のプロであるファンドマネージャーが、市場の平均を上回るリターンを目指して積極的に銘柄を選んで運用するタイプの投資信託のことです。 具体的には、独自の分析や調査にもとづいて、将来性があると見込まれる企業や、割安と判断される株式などに投資を行います。こうした運用には高度な専門知識と時間が必要となるため、同じ投資信託でも市場平均への連動を目指す「パッシブファンド」より運用コスト(信託報酬など)が高めになる傾向があります。しかし、その分大きなリターンを狙える可能性もある点が魅力です。 ただし、アクティブファンドだからといって必ずしも市場平均を上回るとは限らないことに注意が必要です。投資判断がうまくいかなかった場合は、損失が出たり、パッシブファンドに劣る成績となったりすることもあります。 投資初心者の方は、ファンドマネージャーの運用実績やファンドの方針、運用コストなどをよく調べたうえで、自分の投資目的やリスク許容度に合った商品を選ぶことが大切です。購入前に「過去の運用成績」や「運用レポート」を確認し、アクティブファンドの特徴を理解してから投資を始めましょう。
超過リターン(エクセスリターン)
超過リターン(エクセスリターン)は、投資の成果が基準となる指標(ベンチマーク)をどれだけ上回ったかを示すものです。 たとえば、株式市場全体の動きを表す指標である「日経平均株価」や「S&P500」が年間5%上昇したとします。このとき、あなたが投資している商品が7%のリターンを得た場合、その差の2%が超過リターンです。この指標は、投資の「成果が良かったかどうか」を客観的に判断する基準になります。特にアクティブ運用(市場平均を上回ることを目指す投資)の成果を評価する際に重要です。ただし、超過リターンを得るためにはリスクを取る必要がある場合が多いので、投資初心者は自分のリスク許容度をよく考えることが大切です。
複利
複利とは、利息などの運用成果を元本に加え、その合計額を新たな元本として収益拡大を図る効果。利息が利息を生むメリットがあり、運用成果をその都度受け取る単利に比べ、高い収益を期待できるのが特徴。短期間では両者の差は小さいものの、期間が長くなるほどその差は大きくなる。