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退職所得控除とは何ですか?
男性
/ 40代
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2024/07/22 08:48
最近、会社の金融研修で老後のライフプランを検討しました。その際、老後資金に対して退職金が非常に重要であること、勤続年数が長いと退職所得控除が受けられることから、定年まで働くことの意義を説明されました。そもそも退職所得控除とはどのような制度なのでしょうか?
投資のコンシェルジュ編集部
退職所得控除は、退職金に対して適用される税金の減額措置です。終身雇用を前提とした制度のため、転職せずに1社で勤続し続けることで有利になる制度設計となっています。
退職所得控除は、退職金等に対する税制上の優遇措置であり、勤続年数に応じて控除額が異なります。具体的には、勤続年数が20年までの場合は勤続年ごとに40万円、さらに勤続年数が20年を超えると超えた年数に対して70万円の控除額が認められます。
退職所得控除額の計算方法
- 勤続20年未満の場合:40万円 × 勤続年数 (80万円未満の場合は、80万円)
- 勤続20年以上の場合:800万円+70万円×(勤続年数-20年)
この制度は、退職者が受け取る退職金に対して、一定額を非課税にすることで、老後の生活資金を支援する目的があります。特に20年を超えると、勤続1年あたりの控除額が70万円となることから、長期勤務であるほど優遇される制度です。
例えば、23歳で入社した会社を65歳で退職する場合、勤続42年となり退職所得控除額は2,340万円です。2,340万円までの退職金であれば非課税で満額受け取れる、ということになります。45歳で転職し、65歳で退職した場合は勤続20年となり、退職所得控除も800万円です。実際に働いている年数は一緒でも退職所得控除には大きな差が出てきます。
一般的な給与や賞与とは段違いに優遇された制度とおわかりいただけるかと思います。