ポートフォリオ運用に必須の知識!アセットアロケーションとは?
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執筆者:
公開:
2023.04.02
更新:
2024.10.16
アセットアロケーション(Asset Allocation)とは、投資家の目標、リスク許容度及び投資期間に応じて、投資家の資産を複数のアセットクラスに配分(アロケーション)することをいいます。
異なるアセットクラス間では、同一のアセットクラス内の銘柄と比較して、値動きの相関性が低く、場合によっては負の相関性があります。そのため、アセットアロケーションを適切に実施することで、リスクを抑えながら、安定したリターンの獲得を実現できます。
この辺りの理由については、以下の記事で詳しく書きましたので、ご興味のある方はぜひこちらをご覧ください。
参考記事:中長期的・安定的な収益計上を目指す投資手法!機関投資家が実践する「ポートフォリオ運用」とは?
アセットアロケーションとポートフォリオの違い
アセットアロケーションに類似した言葉として、ポートフォリオが挙げられます。どちらも資産配分の考え方を示した用語という点では共通しています。
では、何が違うのでしょうか?それぞれ具体例を用いながらお示ししたいと思います。
アセットアロケーションのイメージ
アセットアロケーションは、「国内株式」や「海外株式」といった、アセットクラスの配分を表すものになります。
ポートフォリオのイメージ
一方、ポートフォリオは、「A社の株式」「C社の債券」といったように、具体的な金融商品で資産配分を表します。
アセットアロケーションはアセットクラスの配分を示し、ポートフォリオは、具体的な金融商品の配分を示します。
つまり、アセットアロケーションは、ポートフォリオよりも1段階抽象度が上がった概念であり、ポートフォリオを作るための計画書といえるかもしれません。
資産運用のパフォーマンスを向上させるには、具体的な投資銘柄の選定も当然重要ですが、それ以前にアセットクラスをどのように配分するかを決めることが重要となります。
事実、「資産運用成果の8割以上はアセットアロケーションによって決まる」という研究結果(日本語解説)も出ておりアセットアロケーションを適正に実施することは非常に重要です。
まとめ
- アセットアロケーションとは、投資家の目標、リスク許容度及び投資期間に応じて、投資家の資産を複数のアセットクラスに配分(アロケーション)することをいう。
- アセットアロケーションは、アセットクラスの配分を表し、ポートフォリオは具体的な金融資産の配分を表すという違いがある。
- アセットアロケーションを適正に実施することで、リスクを抑えながら、安定したリターンの獲得を実現することができる。また、運用成果のほとんどはアセットアロケーションに左右されるという研究結果も出ており、適正に実施することは非常に重要。
投資のコンシェルジュ編集部
MONO Investment
投資のコンシェルジュ編集部は、投資銀行やアセットマネジメント会社の出身者、税理士など「金融のプロフェッショナル」が執筆・監修しています。 販売会社とは利害関係がないため、主に個人の資産運用に必要な情報を、正確にわかりやすく、中立性をもってコンテンツを作成しています。
投資のコンシェルジュ編集部は、投資銀行やアセットマネジメント会社の出身者、税理士など「金融のプロフェッショナル」が執筆・監修しています。 販売会社とは利害関係がないため、主に個人の資産運用に必要な情報を、正確にわかりやすく、中立性をもってコンテンツを作成しています。
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アセットアロケーション
アセットアロケーション(Asset allocation)とは資産配分という意味で、資金を複数のアセットクラス(資産グループ)に投資することで、投資リスクを分散しながらリターンを獲得するための資産運用方法。アセットアロケーションは戦略的アセットアロケーションと戦術的アセットアロケーションの2つを組み合わせることで行われ、前者は中長期的に投資目的・リスク許容度・投資機関に基づいて資産配分を決定し、後者は短期的に投資対象の資産特性に基づいて資産配分を決定する。
アセットクラス
アセットクラスとは似たような特徴を持つ資産のグループのこと。アセットクラスは大きく分けて株式や債券などの伝統的アセットクラスと、ヘッジファンドや不動産などの代替アセットクラスの2つに分けられる。