MENU

Loading...

MENU

20210422-introduction-of-investment-theory

【上級者向け】ポートフォリオ運用の理論を紹介

難易度:

執筆者:

公開:

2023.04.02

更新:

2024.09.30

基礎知識ポートフォリオ投資理論

目次

①現代ポートフォリオ理論(Modern Portfolio Theory/MPT)

②ブラック・リッターマン法

③リスクベース・ポートフォリオ

④ブラック・リッターマン法を用いたリスクベース・ポートフォリオの拡張

まとめ

機関投資家やロボアドバイザーは、ポートフォリオを意識した運用を行っています。

機関投資家は、目標のリターンを達成すると見込まれる投資手法の中でリスクが最小となるものを選択します。当然、「経験と勘」だけに基づいてポートフォリオを構築しているわけではなく、学術的に正しいと言われている理論に基づいてポートフォリオを構築しています。

この記事では、機関投資家やロボアドバイザーがポートフォリオ運用を行う際の拠りどころとなる理論について、特に著名なものを紹介します。

①現代ポートフォリオ理論(Modern Portfolio Theory/MPT)

1952年に米国のハリー・マーコウィッツ氏によって発表された理論です。MPTの内容は、ポートフォリオ全体の価格変動リスクは、個々の組入銘柄の価格変動リスク・組入比率・相関係数によって決まるというものです。

MPTは、発表から70年近く経った現在でも現役の理論であり、いくつかのロボアドバイザリーではこの理論をベースにアルゴリズムが作成されています。

一方、MPTの問題点として、推定が困難な各資産の期待リターンの水準が、資産配分の結果に与える影響が大きいことから、推定に用いるデータ期間や目標リターンを少し変えただけで、極端に異なる配分結果となることが挙げられています。

②ブラック・リッターマン法

ブラック・リッターマン法とは、ゴールドマン・サックスに所属していたフィッシャー・ブラックとロバート・リッターマンによって1990年に考案され、1992年に出版された数理モデルをいいます。

期待リターンの算定時に投資家の見通しを反映し、期待リターンを補正することで、投資家にとって最適なアセット・アロケーション(資産配分)を求める方法です。

投資家の見通しに基づく期待リターンを採用することで、配分結果は一定のものに収斂します。これにより、推定が困難な期待リターンがもたらす、配分結果のバラつきというMPTの問題点を克服することを目指しました。

③リスクベース・ポートフォリオ

リスクベース・ポートフォリオとは、長期的にはリスクに対するリターンは各資産において同じであるという仮定のもと、推定が困難な期待リターンを使用せずに資産配分を決定する方法を指します。具体的には、最小分散ポートフォリオ(MV法)やリスクパリティポートフォリオ(RP法)といったものが挙げられます。期待リターンを使用しないことで、MPTの問題点を克服することを目指しました。

④ブラック・リッターマン法を用いたリスクベース・ポートフォリオの拡張

リスクベース・ポートフォリオは、良好なパフォーマンスを現状出していますが、その半面、リスク水準や期待リターンを考慮できないという問題点があります。一方、ブラック・リッターマン法は、投資家の見通しを反映することができる半面、理論の前提の妥当性に議論があります。

そこで近年は、リスクベース・ポートフォリオに、ブラック・リッターマン法を組み合わせることで、期待リターンと見通しを導入し、両者の欠点を補完するという理論も研究されています。

まとめ

  • 1952年に発表された現代ポートフォリオ理論(MPT)が、今なお一部のロボアドバイザーなどでは、アルゴリズムの裏側の投資理論として利用されている。
  • MPTには理論的な問題点も指摘されており、ブラックリッターマン法やリスクベース・ポートフォリオなど、新しい投資理論も形成されている。
投資のコンシェルジュ画像

投資のコンシェルジュ編集部

MONO Investment

投資のコンシェルジュ編集部は、投資銀行やアセットマネジメント会社の出身者、税理士など「金融のプロフェッショナル」が執筆・監修しています。 販売会社とは利害関係がないため、主に個人の資産運用に必要な情報を、正確にわかりやすく、中立性をもってコンテンツを作成しています。

投資のコンシェルジュ編集部は、投資銀行やアセットマネジメント会社の出身者、税理士など「金融のプロフェッショナル」が執筆・監修しています。 販売会社とは利害関係がないため、主に個人の資産運用に必要な情報を、正確にわかりやすく、中立性をもってコンテンツを作成しています。

関連記事

about-etf

ETFとは?投資信託との違いやメリット・デメリットを解説

2024.10.16

難易度:

基礎知識NISA投資理論積立iDeCo確定拠出年金

関連する専門用語

ポートフォリオ運用

投資資金を株式や債券など異なる複数のアセット(資産)に分けて投資する運用手法で、広義で分散投資を指す。値動きが異なる資産を組み合わせることで、価格変動リスクを低減させることが可能。

ロボアドバイザー

投資家に合った資産配分や商品などを提案してくれるサービス。投資に関する質問に答えることで、その人に適した資産配分の提案などを受けることができる。 最低投資金額も1,000円、1万円からなど個人に利用しやすいサービスとなっている。但し投資家の保有資産全体を通した提案を受けれるわけではなく、あくまでも決められたインデックスに投資するバランス型の運用商品の一種に過ぎない。

機関投資家

機関投資家とは、株式や債券などを大口で運用する法人のこと。金融機関・保険会社・年金基金・共済組合・農協などが該当。

現代投資理論

ポートフォリオの選択や資産運用に関連した問題を取り扱う理論体系もしくは理論の総称。1950年代に米国のハリー・マーコウィツ氏が構築した分散投資理論を基盤とする。同氏は投資理論における先駆的な功績により、1990年のノーベル経済学賞を受賞している。

最小分散投資

与えられた投資対象の中で銘柄の組み合わせや比率増減をすることにより、ポートフォリオのリスクを最小に抑えようとする投資手法。

リスクパリティ戦略

ポートフォリオの各資産のリスクを均等にする投資手法。 ポートフォリオの各資産の割合を固定配分にすると、株式などリスクの高い資産にポートフォリオ全体のリスクが左右されやすくなるため、リスクパリティ戦略によってリスクを抑制することが可能。 一方、リスクが上昇した資産の保有比率が下がるため、市場が反転した時にリターンを確保しにくいとされている。 一般的に価格変動率の大きい株式の比率が低くなり、変動率の小さい債券の比率が高くなる。

関連記事

about-etf

ETFとは?投資信託との違いやメリット・デメリットを解説

2024.10.16

難易度:

基礎知識NISA投資理論積立iDeCo確定拠出年金
asset_allocation_thumbnail

ポートフォリオ運用に必須の知識!アセットアロケーションとは?

2024.10.16

難易度:

基礎知識ポートフォリオ投資理論
20210421-about-portfolio-investment

中長期的・安定的な収益計上を目指す投資手法!機関投資家が実践する「ポートフォリオ運用」とは?

2024.10.09

難易度:

基礎知識ポートフォリオ

当メディアで提供するコンテンツは、情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘する目的で、作成したものではありません。 銘柄の選択、売買価格等の投資の最終決定は、お客様ご自身でご判断いただきますようお願いいたします。 本コンテンツの情報は、弊社が信頼できると判断した情報源から入手したものですが、その情報源の確実性を保証したものではありません。 また、本コンテンツの記載内容は、予告なしに変更することがあります。

投資のコンシェルジュ

運営会社: 株式会社MONO Investment

Email:

運営会社利用規約各種お問い合わせプライバシーポリシー

「投資のコンシェルジュ」はMONO Investmentの登録商標です(登録商標第6527070号)。

Copyright © 2022 株式会社MONO Investment All rights reserved.

「投資のコンシェルジュ」はMONO Investmentの登録商標です(登録商標第6527070号)。

Copyright © 2022 株式会社MONO Investment All rights reserved.