家族信託で相続税や贈与税を節税する方法はありますか?
男性
/ 50代
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2024/11/18 20:12
高齢の父がいくつか収益不動産を保有しているため、相続対策を検討しています。 特に、相続を円滑にしつつ、相続税の節税対策をしたいと考えています。 不動産の相続を円滑にする方法に家族信託があると思います。うちは家族信託を使うのに良さそうなケースなので使用を検討しているのですが、家族信託で節税を行う方法はどのようなものがありますか?
投資のコンシェルジュ編集部
残念ながら、家族信託自体には直接的な相続税の軽減効果はありません。
家族信託の信託財産は委託者であるお父様に帰属するものとして課税されます。そのため、お父様がなくなった際に信託財産がそのまま相続財産として相続の対象となり、相続税の対象となります。
ただし、家族信託を活用することで間接的な節税効果を得られる可能性があります。
例えば、収益不動産の場合、受益権を「収益受益権」と「元本受益権」に分けて設定することで、相続不動産の評価額を下げられる可能性があります。収益受益権は信託財産から発生する利益(例えば賃貸不動産の家賃収入)を受け取る権利であり、元本受益権は信託財産そのもの(不動産の所有権など)を受け取る権利です。
元本受益権を計画的に生前贈与することで、相続時の相続財産の評価額を減らせる可能性があります。また、信託報酬の支払いによって課税対象となる財産を減らセル可能性もあります。
ただし、家族信託は単なる節税手段としてではなく、総合的な相続対策・資産管理の手段として捉えることが重要です。不動産の管理や承継を円滑に行い、将来の争いを防ぐという本来の目的を見失わないようにしましょう。
なお、家族信託の具体的な設計や活用方法については、税理士や弁護士などの専門家に相談することを強くお勧めします。ご家族の状況や保有資産の内容によって最適な方法が異なってきますので、専門家のアドバイスを受けながら慎重に検討を進めていただければと思います。
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家族信託
家族信託とは、財産を持つ人(委託者)が信頼できる家族(受託者)に財産を託し、その管理や運用を任せる制度です。受託者は委託者の意向に従って財産を管理し、利益を受け取る人(受益者)に配分します。認知症対策や相続対策としてよく利用され、財産凍結を防ぎ、柔軟な財産管理が可能です。
受益権
投資信託の運用収益などの利益を受益者が受ける権利。 投資信託では保有者の受益権が均等に分割され、保有者は保有口数に応じて、信託財産の運用収益の分配、償還金の受領、信託財産の一部解約請求、受益権の買取請求などの権利を持つ。
受益者(受取人)
資産運用における受益者(受取人)とは、保険、信託、年金、投資信託、相続などの金融資産から利益を受け取る権利を持つ人を指します。各金融商品や制度において、受益者の役割や権利は異なりますが、共通して資産の管理や運用を経て利益を受ける立場にあります。 生命保険では、契約者が指定した受取人が、被保険者の死亡時に保険金を受け取ります。受取人には第一受取人と第二受取人があり、状況に応じて保険金の支払いが行われます。年金においては、企業年金や個人年金の給付を受け取る人が該当し、遺族年金のように家族が受給者となるケースもあります。 信託では、委託者が資産を信託し、受託者が管理・運用した収益を受益者が受け取ります。信託の形態によって、個人向けや法人向けの受益者が存在し、特定の目的に応じた資産運用が可能となります。投資信託では、ファンドに出資した投資家が受益者となり、分配金や運用益を得ます。特にETFなどの上場投資信託では、受益者が市場で自由に取引できる点が特徴です。 相続においては、遺言や法定相続によって故人の資産を受け取る人が受益者とされます。特定の受益者を指定することで、資産の分配を意図的に調整することが可能になります。また、公共の福祉制度においても、社会保障や奨学金の支給対象者が受益者に該当します。 受益者の適切な指定は、資産の円滑な継承や税務対策において重要であり、状況の変化に応じた定期的な見直しが推奨されます。特に、家族構成の変化や法改正の影響を考慮し、適切な受益者設定を行うことが、資産運用を成功させる鍵となります。
信託財産
投資信託が保有している資産のこと。信託財産は信託銀行に預けられ、運用会社からの指示によって売買。 信託銀行では預かった資産を他の資産とは別に管理。
信託報酬
信託報酬は、投資信託を運用するための費用として、投資家が保有資産に対して負担する手数料です。運用会社、販売会社、受託会社が投資信託の運用や管理に必要な費用をカバーするために徴収されます。費用は年間の信託財産の一定割合(例:0.1~2%)で計算され、投資信託の純資産価値(基準価額)から日々差し引かれます。そのため、運用成績が悪い場合でも信託報酬は発生し、投資信託を選ぶ際の重要な比較要素となります。