純金積立はやめとけと言われました。理由を教えてください
男性
/ 30代
解決済み
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2024/11/08 18:27
現在、NISAで資産運用しています。満額使っているので、他の資産を検討したところ金が安定資産として長期保有するにはいいのではないかと思いました。なかでも、純金積立はドルコスト平均法が使えるし、金は安定して値上がりするのでいいのではないかと思ったのですが、知人に純金積立は絶対やめたほうがいいと止められました。 純金積立はそんなに良くないのでしょうか?見解をおしえてください
投資のコンシェルジュ編集部
純金積立には、投資信託などの金融商品と比較したときに、手数料が高い、インカムゲインがない、スプレッド(購入時と売却時の価格差)が大きいといったデメリットがあります。
特に、純金積立は毎月の購入時に1.5%から2.5%もの手数料が発生し、さらに年会費や口座管理料など、複数の費用負担が存在します。また、純金積立には投資信託の分配金のように、保有している際のインカムゲインが発生しません。
そのため、純金積立では、金価格が大きく上昇しない限り、損をしやすい構造になっていることが、知人の方に止められた原因ではないかと推察されます。相場が下方局面に入ると一気に損が発生する、という危険性が念頭にあり、それを踏まえてやめたほうがいい、とされているのではないかと考えられます。
一方で、金の価格は、2003年に年平均1,399円だったものが、2013年に年平均4,453円と3倍以上、2023年には年平均8,834円と約2倍に増えています。今後もこのような価格上昇がある保証はありませんが経済危機が起きると一気に資金の流入が起こり、金価格が跳ね上がる傾向があり、その際は株などの資産が大きく下落している可能性が高いため、リスク分散するのに魅力的にも見えます。
ただし、これらメリットはすべて、長期保有を前提にしています。短期売買では手数料がかかり、かつ、スプレッドが大きいことから損が発生しやすい構造です。長期間資産として保有し、途中換金をあまり想定しない時に享受できるメリットです。
なんらかのライフイベントがあり、換金する場合には損してしまう可能性が高いです。そのため現状NISAで保有している銘柄とは異なるインデックスファンド、債券、REITなど、手数料が安く、換金性も高い金融資産も検討されると良いかもしれません。
また、換金を前提としない場合でも、iDeCoのような所得控除の受けられる制度を活用することも検討に値します。金にこだわる場合でも、純金積立ではなく、金ETFをドルコスト平均法で購入するという手段もあります。この場合ETFなので必要に応じて換金が容易で、手数料も安く抑えられえます。
確かに純金は安定資産として魅力的に見えますが、高額な手数料構造を考慮すると、一般投資家にとってはより効率的な投資手段が存在します。金価格自体は長期的に上昇傾向にありますが、それ以上に手数料などのコストが重荷となり、実質的なリターンを圧迫する可能性が高いのです。
ご自身の投資目的や期間に合わせて、より効率的な投資方法を検討されることをお勧めいたします。もし、お悩みの場合は専門家へ一度ご相談ください。
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インカムゲイン
インカムゲインとは資産運用で得られる収益の中で、資産を保持することで継続的に受け取れるもののこと(対義語:キャピタルゲイン)。株式の配当金、債券での利子、投資信託の分配金、不動産で賃貸することで受け取れる家賃収入などがこれに当たる。
キャピタルゲイン(売却益)
キャピタルゲイン(売却益)とは、保有していた資産を売却することで得られる利益のことを指します。株式や不動産、債券、金などの貴金属を購入時の価格より高い価格で売却した場合、その差額がキャピタルゲインです(対義語:インカムゲイン)。 例えば、1,000円で購入した株を1,500円で売却すれば、500円がキャピタルゲインです。ただし、売却時には税制や手数料を考慮する必要があり、特に金融資産では 譲渡益課税 が適用されることが多くあります。 キャピタルゲインは、大きなリターンを得られる可能性がある一方で、購入時より価格が下がると 元本割れのリスク も伴います。そのため、資産運用では 売却益の確保 と 税負担の最適化 が重要な戦略の一つです。