
ポートフォリオ運用するなら必須の知識!「オルタナティブ投資」とは?
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執筆者:
公開:
2023.04.02
更新:
2025.03.13
オルタナティブ投資(代替投資)とは、株式や債券以外の資産へ投資すること、またはその資産自体のことを指します。
株式や債券は「伝統的資産」と呼ばれ、「オルタナティブ」とは日本語で「代替する」という意味があります。そのため「オルタナティブ投資」は、伝統的資産に代替する新たな投資手法という意味合いがあります。
オルタナティブ投資の具体的な内容としては、不動産投資信託(REIT)、プライベート・エクイティ・ファンド、未公開株、ヘッジファンドなどが挙げられます。
オルタナティブ投資の特徴
オルタナティブ投資には、以下のような特徴があります。
ポートフォリオの分散効果を高められる
オルタナティブ投資と伝統的資産は、収益の相関性が低いため、オルタナティブ投資を組み入れることで、投資ポートフォリオの分散効果を高めることが期待できます。
特定かつ少数の投資家向けである
上場株式や債券は、不特定多数の個人投資家に対して募集や売出し等がなされます。
一方、オルタナティブ投資の場合は、少数の限られた人にしか投資の機会が与えられないケースが大半です。
最低投資金額が大きい
上場株式であれば、1万円程度から投資できます。
一方、オルタナティブ投資は数百万円から数億円程度の資金が必要となることが多く、オルタナティブ投資を行う際のハードルとなります。
流動性が低い
上場株式や債券はそれぞれ市場での売却や中途解約をすることで、すぐに換金できます。
一方、オルタナティブ投資の場合は、買い手がつきにくい・そもそも契約上中途解約できない・中途解約に数十日かかる、などの理由により、すぐに換金することが困難なケースが多いです。
ハイリスク・ハイリターン
一般的に上場株式・債券と比べて、オルタナティブ投資はハイリスク・ハイリターンといえます。
例えば、上場株式と未上場株式を比較した場合、未上場企業の方が上場企業よりも倒産する確率は高いですが、未上場株式は投資金額の何百倍ものリターンが返ってくる可能性もあります。
オルタナティブ投資の具体的な内容
不動産・REIT
不動産を購入し、それを第三者に賃貸することで、賃料収入を得ることができます。また、購入した不動産を売却することで、売却収入を得ることができます。
不動産を直接保有することは、多額の収入を得られる可能性がある半面、購入時の投資金額が非常に高いといったハードルがあります。
そこで投資家の中には、REIT(不動産投資信託・リート)と呼ばれる投資信託に投資をすることで、不動産に対する投資を実践する投資家も存在します。
REITは、機関投資家や個人投資家から調達した資金を元に不動産を購入し、その賃料収入や売却益を投資家に還元する金融商品です。そのため、不動産を直接保有するのと類似した投資効果を見込むことができます。
プライベート・エクイティ・ファンド
プライベート・エクイティ・ファンドとは、機関投資家や個人投資家から集めたお金を元手に非上場企業の株式を取得し、その企業の経営内部に関与して企業価値を高めた上で、取得した株式を売却することで利益を得るファンドです。カーライルやベイン・キャピタルなどのPEファンドだけでなく、ベンチャーキャピタルなども含む概念です。
個人投資家はプライベート・エクイティ・ファンドにお金を出資し、ファンドから投資利益の分配を受け取ります。高いリターンを得られる可能性がある半面、投資先の企業が倒産し、大きな損失を被るリスクもあります。
現状、個人投資家がプライベート・エクイティ・ファンドに投資する機会は限定的です。
しかしながら2020年に、SBIアセットマネジメントがピクテ投信投資顧問と組み、未公開株を組み入れた投資信託を販売していた※1他、2021年1月に野村証券とスパークスグループが共同で、非上場企業に投資する上場投資法人の設立を発表する※2など、個人投資家がプライベート・エクイティ・ファンドに出資する門戸は開かれつつあります。
※1出所:SBIアセットマネジメントプレスリリース(2020年6月25日)
※2出所:野村ホールディングスプレスリリース(2021年1月14日)
未公開株
未公開株(非上場株式)を取得し、その企業がIPO等をした際に、購入価格より高値で株式を売却し利益を得ることを目指す投資手法です。
未公開株を取得するためには企業との関係性が必要であり、一般的な個人投資家が未公開株を取得する機会は限定的でしたが、近年は株式型クラウドファンディングが普及したため、個人投資家でも手軽に未公開株を取得できるようになっています。
ローン貸付
ローンは、資金ニーズのある会社やファンドに対して資金を貸し付けることで、定期的な利息収入を得ることを目指す投資手法です。
未公開株と同様、ローンを貸し付けるためには、企業との関係性が必要であるため、一般的な個人投資家がローンを貸付する機会は限定的でしたが、近年はクラウドファンディングの普及により、個人投資家でも手軽にローンを貸付できるようになっています。
ヘッジファンド
ヘッジファンドとは、様々な運用手法を駆使して、好況・不況にかかわらず高い運用収益を得ようとするファンドを指します。通常の投資信託は、運用方法に制限を設定することが多いですが、ヘッジファンドは比較的自由な運用が可能であり、商品先物や金融先物、信用取引なども積極的に活用しています。
個人投資家はヘッジファンドにお金を出資し、ファンドから投資利益の分配を受け取ります。高いリターンを得られる可能性がある半面、想定しないリスクの顕在化により、大きな損失を被るリスクもあります。
ヘッジファンドは、適格機関投資家から私募形式で資金を集めることから、個人投資家がヘッジファンドに対して出資を行う機会は限定的なのが実情です。
コモディティ投資
コモディティ投資とは、商品先物市場で取引されている金・原油・穀物などの商品に対して投資をすることを指します。「コモディティ」は日本語で「商品」を意味します。
コモディティは商品であるため、コモディティ投資はインフレに強いというメリットがある半面、配当がない・値動きが読みづらいというデメリットがあります。
金を始めとする貴金属については実物資産を保有することは比較的容易ですが、原油や穀物を実物資産として保有することは現実的ではありません。そこで、コモディティ投資においては、商品指数に連動した投資信託を購入することで、実物資産を保有せずに、コモディティへの投資効果を得ることが可能です。
具体的な実践方法
以下の記事で、オルタナティブ投資を具体的に実践する方法について解説いたしました。ご興味ある方は是非こちらをお読みください。
参考記事:オルタナティブ投資がしたい方必見!手軽にオルタナティブ投資をする方法3選
まとめ
- オルタナティブ投資とは、株式や債券といった伝統的資産以外に投資する運用手法、または伝統的資産以外の投資対象資産のことを指す。
- オルタナティブ投資の具体的な内容としては、不動産投資信託(REIT)、プライベート・エクイティ・ファンド、未公開株、ローン貸付、ヘッジファンド、コモディティなどが挙げられる。
- 伝統的資産とオルタナティブ投資は、異なる特徴を有しています。オルタナティブ投資を自分のポートフォリオに組み込むことは、ポートフォリオの分散効果を高めることが期待できる。

MONO Investment
投資のコンシェルジュ編集部は、投資銀行やアセットマネジメント会社の出身者、税理士など「金融のプロフェッショナル」が執筆・監修しています。 販売会社とは利害関係がないため、主に個人の資産運用に必要な情報を、正確にわかりやすく、中立性をもってコンテンツを作成しています。
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関連する専門用語
オルタナティブ投資
オルタナティブ投資とは、伝統的な投資対象である株式や債券以外の資産への投資を指します。主な投資対象には、不動産、インフラ、プライベートエクイティ(未公開株式)、コモディティ(商品市場)、ヘッジファンド、ベンチャーキャピタル、貴金属、仮想通貨などが含まれます。 この投資手法の主な特徴として、伝統的な市場との相関が低いため、ポートフォリオ全体のリスク分散効果が期待できることが挙げられます。また、投資対象や手法の選択肢が広がることで、より柔軟な投資戦略を構築することが可能になります。 ただし、オルタナティブ投資には留意点もあります。一般的に流動性が低い場合が多く、また専門的な知識が必要とされることから、長期的な投資視点を持って取り組む必要があります。
証券化
証券化とはキャッシュフローを産む資産を証券化し、投資家に売却することである。裏付けされたキャッシュフローを発行される債券の利払いと元本の償還に充てる。証券化される資産の種類は多様であり、不動産債権、クレジットカード債権、住宅ローン債券などがある。
REIT(Real Estate Investment Trust/不動産投資信託)
REIT(Real Estate Investment Trust/不動産投資信託)とは、多くの投資家から集めた資金をもとに、商業施設、オフィスビル、住宅、物流施設などの不動産に投資し、そこから得られる賃貸収入や売却益を投資家に分配する金融商品です。証券市場に上場されており、株式と同様に売買できるため、流動性が高く、少額から不動産投資を始められるのが特徴です。 個人投資家は、REITを通じて間接的にさまざまな不動産のオーナーとなり、プロの運用による収益を享受できます。実物不動産投資と異なり、管理の手間がかからず、分散投資が容易であるため、安定的なインカムゲイン(配当収入)を狙う投資家にも人気があります。一方で、不動産市場の動向や金利の変動によって価格が影響を受けるため、市場環境のチェックが重要となります。
J-REIT(Japan Real Estate Investment Trust)
J-REIT(ジェイリート)とは、「Japanese Real Estate Investment Trust」の略で、日本国内で設立・運用される不動産投資信託のことです。東京証券取引所を中心に上場しており、オフィスビル、商業施設、住宅、物流施設、ホテルなど、多様な不動産に投資します。投資家から集めた資金で不動産を取得・運用し、賃貸収入や売却益を原資として、利益の90%以上を分配することで法人税の軽減を受ける仕組みになっています。 J-REITは、税制優遇を受けられる点や比較的安定した分配金が期待できることから、国内投資家にとって魅力的な資産運用手段の一つです。ただし、日本経済や不動産市場の動向、金利変動、自然災害リスクなどの影響を受けるため、慎重な運用が求められます。もともとREITは米国で生まれた仕組みですが、日本の法律や市場環境に適応した制度が整備され、J-REITとして発展しています。
ヘッジファンド
ヘッジファンドは、私募形式の投資信託です。富裕層や機関投資家向けに設計された投資ファンドで、高いリターンを追求するために多様な戦略を活用します。短期売買や空売り、デリバティブ(金融派生商品)などを駆使し、市場平均を上回る成果を目指します。 伝統的なファンドに比べて規制が比較的緩やかであるため、運用の柔軟性が高い一方で、情報開示の水準が異なり、ファンドによっては透明性が低い場合があります。また、成功報酬を含む手数料体系は一般的な投資信託よりも高く設定される傾向があり、一定の資金拘束期間が設けられることが多いため、流動性が低い点にも留意が必要です。 投資家は、これらの特性を理解した上で、自身のリスク許容度に合った選択をすることが重要です。
アセットクラス
アセットクラスとは似たような特徴を持つ資産のグループのこと。アセットクラスは大きく分けて株式や債券などの伝統的アセットクラスと、ヘッジファンドや不動産などの代替アセットクラスの2つに分けられる。