専門家に質問
国債でも元本割れするケースがあると聞きましたが、どういうときですか?
男性
/ 60代
解決済み
0
2024/10/17 15:37
現在退職金の運用先として、国債の購入を検討しています。話を聞いたところ、国債は基本的には元本割れしない安定資産だということなのですが、元本割れをするケースもある、ということを聞きました。 国債が元本割れするケースというのはどのような場合でしょうか?ご教授いただけますと幸いです。
投資のコンシェルジュ編集部
個人で購入できる国債は、個人向け国債と新窓販国債の2種類があります。元本割れが考えられるケースの多くは新窓販国債ではないかと推察されます。
国債購入時よりも売却時の価格が低い場合、元本割れが生じます。つまり、元本割れの発生するケースは、満期償還前に売却する場合に限られます。
個人向け国債の場合、国による買い戻し制度があるため、市場での売却を考慮する必要がありません。しかし、発行から1年以内に中途換金時した場合、直近2回分の利子相当額が償還金額から差し引かれ、若干元本割れする可能性があります。一方、1年以上保有していれば、元本割れの可能性はないように設計されています。
一方、新窓販国債の場合は国の買い戻しによる中途換金制度がありません。そのため、満期前に換金したい場合は市場で売却する必要があり、その時の価格次第で元本割れする可能性があります。代わりに、新窓販国債は個人向け国債よりも高い利率が設定されている場合が多く、満期償還を前提とするなら有利な場合がほとんどです。
まとめますと、個人向け国債を1年以内の短期で換金する場合、あるいは新窓販国債を売却する場合に、元本割れが起こり得ます。逆にそれ以外のパターンでは元本割れしない安定した資産とも言えます。
換金を検討した際の資産の状況によっては、多少の元本割れがあったとしても現金が必要、という場合もあるでしょう。他によりよい条件で換金できる商品があった場合はそちらの換金を検討したほうがいいかもしれません。
場合によって最適な行動は異なりますので、迷った場合には専門家へ一度相談されることをおすすめします。