専門用語解説
繰越損益
繰越損失(譲渡損失の繰越控除)は、上場株式や公募株式投資信託の売買で生じた損失を翌年以降の譲渡益や、総合課税で申告した配当所得と相殺し、最長3年間税負担を軽減できる制度です。
損失が出た年に「株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書」を添えて確定申告し、繰越残高がある間は毎年欠かさず申告を続ける必要があります。たとえば2025年に50万円の損失を計上し、翌2026年に40万円の譲渡益があれば全額を相殺して課税所得をゼロにでき、余った10万円は2027年まで持ち越せます。
特定口座(源泉徴収あり)でも制度を利用する際は確定申告が必須で、FXや仮想通貨など他の分離課税商品とは通算できません。損失を無駄にせず将来の利益に備える節税手段として、年間損益を確認し早めに手続きしておくことが大切です。