専門用語解説
限月分散型ETF
限月分散型ETFとは、先物取引を活用するETFの一種で、異なる満期(限月)を持つ複数の先物契約を同時に保有することで、価格変動やロールコスト(乗り換えコスト)の偏りを抑えるよう設計された商品です。
通常の先物ETFは、最も近い限月の先物契約を中心に運用されており、満期が近づくたびに次の限月へと乗り換える必要があります。この乗り換えの際に、価格差からロールコストが発生し、長期運用ではパフォーマンスの足かせになることもあります。
一方、限月分散型ETFは複数の限月を組み合わせて運用することで、このロールコストの影響を平均化し、価格の安定性を高める仕組みを採用しています。とくに原油やコモディティ市場に連動するETFでこの方式がよく用いられており、長期保有に適した設計がなされています。
複雑な先物市場の動きを和らげる構造のため、投資初心者にとっても比較的扱いやすく、コモディティ投資の手段として有効な選択肢となり得ます。