専門用語解説
AT1債
AT1債(Additional Tier 1 Bonds)は、債券と株式の中間的な性質を持つ特殊な金融商品です。正式名称のAdditional Tier1が示すように、銀行の中核的自己資本であるTier1の一部として算入される証券です。
原則として償還期限のない永久債として発行され、発行体である銀行の財務状態が著しく悪化した場合には、元本が削減されるか株式に転換される条項が付されています。また、銀行の裁量により利払いを停止できる特徴があり、一旦停止された利払いは後日支払われることはありません。
このように、通常の債券よりも株式に近い性質を持つことから、発行体にとっては資本性の高い調達手段となる一方、投資家にとっては相応のリスクを伴う投資商品となっています。