専門用語解説
非上場株式(未公開株式/非公開株式)
非上場株式(未公開株式/非公開株式)とは、証券取引所に上場していない企業の株式を指します。
上場株式とは異なり、公の市場で自由に売買できず、流動性が低いのが特徴です。特に買い手を見つけるのが難しく、売却までに時間を要することが多いです。主にベンチャー企業や中小企業が発行しており、取得方法としてはベンチャーキャピタル(VC)、エンジェル投資家、投資ファンド、従業員持株会などを通じた投資が一般的です。
また、売却や譲渡には会社の承認が必要な場合が多く、定款や契約によって譲渡制限が設けられていることもあります。そのため、希望するタイミングで売却できるとは限りません。
投資家にとっては、企業の成長による大きなリターンを期待できる一方で、換金の難しさや情報の透明性の低さといったリスクもあります。未公開企業は決算情報や事業計画の開示義務がない場合もあり、投資判断が難しくなる可能性があるため、十分な調査が必要です。
さらに、非上場株式は相続や贈与の際の評価が難しいという課題もあります。相続税や贈与税の計算では、国税庁の「財産評価基本通達」に基づき、類似業種比準方式や純資産価額方式などの方法で評価されます。しかし、これらの方式による評価額は事業の業績や市場環境によって変動しやすく、納税額が予想以上に高くなることがあります。
また、非上場株式は市場での換金が難しいため、相続税の納税資金を準備するのが困難な場合があります。このようなリスクを避けるために、事前に事業承継対策や株式の分散を検討することが重要です。